東京・自由が丘が「しゃれた街並み」再開発

建物の老朽化が進む東京・自由が丘が「しゃれた街並み」を取り戻そうと再開発に乗り出した。駅前に複合施設を建て、2026年7月の竣工を目指す。

建物の老朽化があちこちで顕在化している東京都目黒区自由が丘が「しゃれた街並み」を取り戻そうと、駅前の再開発に乗り出している。そのリーディングプロジェクトとして新築工事が進むのが、「自由が丘1丁目29番地区第1種市街地再開発事業」である。

自由が丘駅前に中規模の複合施設を建設し、2026年7月の竣工を計画している。開業も26年中になると見られる。24年2月初旬時点で、対象街区にあった既存建物の解体工事はほぼ完了した。地下の解体を経て、新築の基礎工事が始まっている。

東急電鉄自由が丘駅の駅前広場に面する北側の街区で、立地は抜群だ。事業者は自由が丘一丁目29番地区市街地再開発組合で、ヒューリックや鹿島が参加組合員に名を連ねる。総事業費は約344億円を見込む。 施設の設計は久米設計、施工は鹿島が手掛ける。構造は鉄筋コンクリート造。

施設は地下3階・地上15階建てで、高さが約60m。都内のあちこちで進む大規模な再開発事業に比べると、小ぶりだ。それでも小規模の建物が所狭しと並ぶ自由が丘の街にあっては、駅前広場に面する約3900m2の敷地に15階建ての新築ビルが立つインパクトは大きい。駅前の風景が一変する。延べ面積は約4万6000m2で、店舗やオフィス、住宅、駐車場などで構成する。

自由が丘の街は建物の老朽化だけでなく、道幅の狭さという長年の課題を抱えてきた。バスは狭い道路を通って、バスターミナルにもなっている駅前広場に乗り入れている。バスが来ると道幅の大部分が塞がれてしまい、歩行者にとっては危険な場所がある。ベビーカーを使う家族連れなどが自由が丘を離れていく一因にもなっている。一方通行の道路も多い。街を南北に分断する踏切もある。

事業者は地元自治体の目黒区と連携し、今回の再開発を皮切りに道路の拡幅や車歩分離を進める。完成までの道のりは長いが、自由が丘駅周辺の再開発は今後、隣接する街区に広がっていきそうだ。

自由が丘1丁目29番地区第1種市街地再開発事業の特徴は、施設内の1階に南北と東西に抜ける「貫通通路」を設けることだ。また、1階を周辺道路からセットバックし、敷地の周囲に歩行者通路や店舗軒先のにぎわい環境空間を整備する。

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